数値解析とは・・・

数値解析は、数学および物理学の一分野で、代数的な方法で解を得ることが不可能な解析学上の問題を(通常は有限精度の)数値を用いて近似的に解く手法に関する学問である。

史上最初の数学的記述の一つとして、バビロニアの粘土板 YBC 7289 を挙げることができる。これは六十進法で {\displaystyle {\sqrt {2}}} {\sqrt {2}} (単位矩形の対角線の長さ)を数値的に近似したものである。三角形の辺の長さを計算できること(そして、平方根を計算できること)は、特に建築において重要である。例えば、縦横それぞれ2メートルの正方形の壁の対角線は {\displaystyle {\sqrt {8}}\approx 2.83} {\sqrt {8}}\approx 2.83 メートルとなる。

数値解析は、このような実用的計算の長い伝統に続くものである。バビロニアの {\displaystyle {\sqrt {2}}} {\sqrt {2}} の近似のように、現代の数値解析も厳密な解を求めようとするものではない。何故なら、厳密な解を有限時間で求めることは不可能だからである。その代わりに、数値解析の多くは、ある程度の誤差の範囲内の近似解を求めようとする。

数値解析は自然科学および工学のあらゆる分野に応用がある。計算言語学や社会統計学のように、人文科学や社会科学でも重要である。

コンピュータ以前は、数値的な手法は数表と、大きな計算になると機械式計算機による補助も近代には使われたものの、紙とペンによる膨大な途中経過をダブルチェックして行われる大変な作業であった。(個々の計算はそろばんにより行われるかもしれないが、そろばんで「膨大な途中経過」は扱えない。計算尺も用途によっては有用だが、有効数字が限られており、それでは間に合わない分野も多い)

コンピュータの発達以降は、従来から見るとその桁外れな計算力により応用分野が大きく広がったとともに、コンピュータ以前からのノウハウに加え、コンピュータによる計算の特性を正しく理解して使うことも重要になった。

常微分方程式は天体(惑星、恒星、小宇宙)の軌道の計算に登場する。資産管理には最適化が利用されている。数値線型代数はデータ解析に不可欠である。確率微分方程式とマルコフ連鎖は、医学や生物学における生体細胞のシミュレーションの基本である。

数値解析例

超高層ビル/原子力施設の耐震性の確認

ロケット/自動車の周りの空気流れ解析

水素の拡散現象の明確化